ショウアンドテル 話すこと・聞くことの指導(6)

指導方法
つばさ
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ショウアンドテルって何ですか?

 大人でも、人前で話をすることに対抗感がある人はたくさんいます。

 そこで、今回は、比較的簡単に人前で話すことのできる「ショウアンドテル」について書きます。

ショウアンドテル

🟠ショウアンドテル

<人の前で話す時の気持ち>

 日本では、大人でも、たくさんの人の前で話をすることに苦手意識をもったり、抵抗感をもったりする人はたくさんいます。

 なぜでしょうか?

 1つは、大勢の人を前にすると、あがってしまうからです。

 2つは、上手に話せるだろうかと緊張するからです。

 3つめは、何を話すとよいか話題が思いつかないからです。

 その上、日本では、慎み深いことが美徳であると、みなされることも多いです。

 人前にしゃしゃり出て話すよりも、遠慮がちに黙って微笑んでいることによさを感じる文化があります。

 しかし、社会は、グローバル化に向かっています。

 これからの社会では、自分の考えや思いを話すことが必要な時には、きちんと話をする能力が求められています。

 では、どうすればよいのでしょうか。

 1つの方法は、子どもが低学年の時から人前で話をする機会を設けることです。

 欧米社会では、学校教育の中で、このような人前で話をする機会をきちんと取り入れています

 よい方法の1つに「ショウアンドテル」という方法があります。

<ショウアンドテルとは?>

 ショウアンドテル(Show and Tell)とは、文字通り、「見せて話すこと」です。

 ショウアンドテル(Show and Tell)は、北米やオーストラリアなどの幼稚園や小学校で行われている指導法です。テーマに合わせた物を家などから持ってきて、学級のみんなの前で見せながら話をします。

 この指導法のよさは、人前で話す事が苦手な子どもでも、物を見せるところから始まりますので比較的が抵抗が少なく、話すことに対する心理的な負担を軽くすることにあります。

 また、聞いている子どもも、具体的なものがありますので、質問がしやすいです。

<具体的なショウアンドテル(Show and Tell)の指導の方法>

 私は、学級でこのショウアンドテル(Show and Tell)をする時は、自分で手本になる話をすることから始めることが多いです。

 何か自分の気に入っている物(宝物)を家から持ってきて、みんなに見せながら話をすることにしています。

 例えば、次のような話です。

(キャクターの目覚まし時計を見せながら)

 今から、この時計について話をします。

 この時計は、友だちから誕生日にもらった目覚まし時計です。

 朝になると、「起きろ、起きろ、朝だよ」と声をかけてくれます。そして、目が覚めて、時計のスイッチを押すと、「今日も一日がんばろう」と話をします。

 めざまし時計が話しかけてくれるので、今日もがんばろうと思えます。

 朝起きるのはそれほど得意ではありませんでしたが、この時計をもらってから朝起きるのが得意になりました。

 これで、話を終わります。

 何かを子どもにさせる時には、できるだけ教師がモデルを示すというのはとても大切なことだと思っています。

 モデルを示すことで、子どもは、私がどのようなことをしてほしいと願っているのかを理解することができます。

 その上、普段は、学校に持ってきてはいけないようなおもちゃなどの持ち物を学校に持ってきていいということに子どもは楽しさを感じます

 いくつかの学級のある学年で担任をしている場合は、このような学習をする場合は、きちんと学年の先生に話をして、このような活動をしてよいかどうかの確認をとっておくことが大切です。

できれば、念のために、管理職の先生の許可を得ておくとよいでしょう。

 次に、学年だよりや学級通信などを使って「ショウアンドテル(Show and Tell)」の学習をするので、学校に子どもの大切なものを持って来させるように、保護者にお願いをします。

 子どもが、学校に折角自分の宝物を持ってこようとしているのに、保護者に「学校に関係のない物を持って行ってはいけません」と反対されては可哀想です。

 子どもが家で、きちんと「ショウアンドテル(Show and Tell)」の学習の趣旨について話をすることができるとは思えませんので、そのようなていねいな手続きをすることは大切だと思います。

 この手紙では、もう1つことを保護者にお願いします。それは、前もって家で、「ショウアンドテル(Show and Tell)」の練習をしてきてもらうことです。

 何も大袈裟なことをしてもらうのではなく、どんな宝物を選ぶとよいか一緒に考えてもらい、その宝物のよさについて、家で少し子どもから話を聞いておいてもらうことです。

 家で、家族を前にして、宝物について話をしてきていると、緊張感もより少なくなると思います。

 話すこと・聞くことの能力を高めるためには、家庭の協力もとても大切だと思っています。

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 なお、あわせて、話すこと・聞くことに関する次のページもお読みください。

話すこと・聞くことの指導(1)何をめざすのかに進む内部リンク

話すこと・聞くことの指導(2)道順をどう話すかに進む内部リンク

話すこと・聞くことの指導(3)話すことに慣れるに進む内部リンク

話すこと・聞くことの指導(4)発言の機会を増やすに進む内部リンク

話すこと・聞くことの指導(5)朝の会の司会に進む内部リンク

話すこと・聞くことの指導(7)本の紹介に進む内部リンク

話すこと・聞くことの指導(8)話す指導で思うことに進む(内部リンク

話すこと・聞くことの指導(9)聞く時の構えに進む(内部リンク

話すこと・聞くこと(10)インタビューに進む(内部リンク

 

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