まんがの方法 教材分析025

教材分析
つばさ
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まんがの方法」の教材分析について知りたいです。

 よい授業をするためには、ていねいな教材研究をすることが大切です。

 しかし、国語の教材の分析をするのは時間がかかります。

 そこで、大まかな教材分析例を提示することにします。

 今回は、「まんがの方法」です。

まんがの方法:教材分析

🟠まんがの方法:教材分析

 この教材は、教育出版の5年生の教科書に掲載されている説明文です。

<作者>

 石田佐恵子(いしだ・さえこ)作

 出典:この教科書のために書き下ろしされた文章です。2002年に書かれました。

 石田佐恵子さんについて

 1962年(昭和37年)、栃木県生まれです。日本の社会学者です。

 筑波大学卒業後、筑波大学大学院に進学しました。現在、大阪公立大学(旧、大阪市立大学)教授です。メディア、テレビ文化、まんが、クイズなどの文化社会学の研究をされています。

<題名>

 題名は「まんがの方法」です。

 この教材は、5年生の教科書に出てきます。

<はじめとおわり>

はじめ

 本屋には、たくさんのまんががならんでいる。子どもだけでなく、大人向けのものもある。多くのまんがが発行され、読まれているのは、まんががおもしろいからだろう。

おわり

 ストーリーまんがを例に「まんがの方法」をしょうかいした。みなさんも、自分の好きなまんがからいろいろな「まんがの方法」を見つけてみると、今までよりもっとまんがを楽しむことができる。

説明文の教材研究(2) はじめとおわりに進む内部リンク

<形式段落>

 形式段落は、全部で16段落です。

 形式段落毎の簡単な内容は、次の通りです。

①   たくさんのまんががあり読まれているのは、まんががおもしろいからだろう。

②   まんがのおもしろさをどのような方法で表しているのか、ひみつをさぐってみよう。

③   まんがには種類があるが、共通の表現方法があり「まんがの方法」とよぶことにする。

④   親しまれているストーリーまんがを例にして、「まんがの方法」をさぐることにする。

⑤   ストーリーまんがは、「コマ」とよばれる四角いわくの中の絵の連続で表現される。

⑥   コマは、物語の展開に重要な役割を果たし、コマで場面の印象が変わる。

⑦   コマと同じく重要なものに「フクダシ」と呼ばれる人物の話すせりふがある。

⑧   フキダシではなく、絵の中に、手で文字がえがかれ、人物の心の動きなどを表す。

⑨   次に、人物のえがき方について考える。まんがの絵がらはとても単純である。

⑩   特に大切なのは、人物の表情で、表情によって、まんがの感じは大きくちがってくる。

⑪   まんがの進行の仕方はどうか。省略表現があることで想像しながら読むことができる。

⑫   「まんがの方法」はほかにもある。

⑬ 例えば、背景にななめの線や丸、点々などがえがかれ、心の動きなどを効果的に表す。

⑭ 背景に「ナレーター」の語りが入ることで、作品に独特のおもしろさをあたえている。

⑮ 「まんがの方法」を使ったまんがは、言葉を変えると、言葉の異なる国でも楽しめる。

⑯   好きなまんがで「まんがの方法」見つけると、もっとまんがを楽しむことができる。

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説明文の教材研究(4) 段落関係と要点に進む内部リンク

<意味段落>

 ここでは、5つの意味段落に分かれていると考えてみることにします。

①~②段落:序論(はじめ)

 最初に、本屋にまんががたくさんあることから書きはじめ、多くの人に読まれているのはおもしろいからです、と説明します。

 そして、第②段落は、問題提起の段落です。

 まんがは、そのおもしろさをどのような方法で表しているのか、そのひみつをさぐろうと、筆者は書きます。

③~⑧段落:本論1(なか1)

 まんがにはいろいろなしゅるいがあるが、共通した表現方法があることにふれ、それを、題名でもある「まんがの方法」と名付けます。そして、ストーリーまんがを例に、「まんがの方法」についてさぐることにします。

 そして、まんがの方法である「コマ」「フキダシ」「絵の中の文字」について説明しています。

⑨~⑪段落:本論2(なか2)

 「まんがの方法」の人物のえがき方、省略表現について説明しています。

⑫~⑮段落:本論3(なか3)

 その他の「まんがの方法」である背景のえがき方について説明しています。

 そして、言葉を変えれば、他の国でも楽しむことができることについて書いています。

⑯段落:結論(おわり)

 ストーリーまんがを例に「まんがの方法」をしょうかいしたことにふれ、「まんがの方法」は常に新たに生み出されている、と書きます。そして、読者のみなさんも、自分の好きなまんがからいろいろな「まんがの方法」を見つけると、今までよりもっとまんがを楽しむことができる、とまとめます。

<大事な言葉>

 まんが、雑誌、所せまし、りくつぬき、コマ、ストーリー、物語の展開、回想、せりふ、フキダシ、はくりょく、省略、背景、ナレーター、差しかえ

説明文の教材研究(5) 大事な言葉と要約に進む内部リンク

<表現の工夫>

問いかけ

 この説明文では、最初の方で疑問を提示しています。

まんがは、そのおもしろさをどのような方法で表しているのでしょうか。

と書きます。

 問いかける言い方(疑説法)によって、読み手の知的欲求が高まり、その答えを知りたくなりますので、文章を読みたくなります。

説明文の教材研究(8) 列挙 反復 問いかけに進む内部リンク

実際のまんがの引用」

 この説明文では、実際の漫画の具体例を7つも使っています。文字で書かれた文章で説明するだけでなく、説明する内容に対応する「まんが」の実物を使うことで、説明がよりわかりやすくなっています。

説明文の教材研究(6) 引用に進む内部リンク

<要旨>

 この説明文では、「まんがの方法」についていろいろな具体例をあげて説明しています。そして、まんがの方法によって、まんががおもしろくなること、自分の好きなまんがから、いろいろな「まんがの方法」を見つけると、もっとまんがを楽しむことができると書いています。

<まとめにかえて>

 この教材分析は、このブログに載せている「説明文の教材研究」で取りあげたいくつかの視点に基づいて行ったものです。

 教員のみなさん1人1人が自分で行う教材研究の参考になれば幸いです。

⭐️ ⭐️

 なお、説明文に関係する次の項目についても、併せて読んでください。

説明文の教材研究(1) 教材研究の視点に進む内部リンク

説明文の教材研究(3) 文章の構成に進む内部リンク

説明文の教材研究(7) 表現の工夫(対比)に進む内部リンク

説明文の教材研究(9) 比喩 数量化 程度差に進む内部リンク

説明文の教材研究(10)なぜ教材研究をするのかに進む内部リンク

説明文の指導の仕方(1)指導計画に進む内部リンク

説明文の指導の仕方(10)に進む内部リンク

 他の説明文の教材分析の例漫画などに関係する言葉については、次のページをお読みください。

漫画のよさ 伝記の漫画家たちに進む内部リンク

手塚治虫 教材分析⑧に進む内部リンク

作文のすすめ(12)4こま漫画に進む内部リンク

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