「ほけんだより」を読みくらべよう 教材分析064

教材分析
つばさ
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『ほけんだより』を読みくらべよう」の教材分析について知りたいです。

 よい授業をするためには、ていねいな教材研究をすることが大切です。

 しかし、国語の教材の分析をするのは時間がかかります。

 そこで、大まかな教材分析例を提示することにします。

 今回は、「『ほけんだより』を読みくらべよう」です。

「ほけんだより」を読みくらべよう:教材分析

🟠「ほけんだより」を読みくらべよう:教材分析

 この教材は、東京書籍の3年生の教科書に掲載されている説明文です。

 東京書籍の教科書では、2年から6年生にかけて2つのよく似た文章を読みくらべる教材を作成し掲載しています。

 2年生では「サツマイモのそだて方」、3年生では「ほけんだより」、4年生では「広告」、5年生では「新聞記事」、6年生では「インターネットの投稿」を取りあげてくらべています。

<作者>

「新しい国語」編集委員会・作

 この説明文には2つの文章がありますが、2つとも東京書籍の教科書の編集委員会により書き下ろされました。

《はじめの文章》

 題名は、「『ほけんだより』を読みくらべよう」です。

<はじめとおわり>

○はじめ

・この文章では、次のように書き出しています。

 ほけん室の大森先生は、毎月「ほけんだより」を出しています。

○おわり

・この文章では、次のような文章で終わっています。

 それでは、大森先生が書いた二つの文章を読み、①~③の三つの点について、考えてみましょう。

<形式段落>

① ほけん室の大森先生は、毎月「ほけんだより」を出している。

② 大森先生は、朝ごはんを食べない人がいるので「ほけんだより」で書くことにした。

③ 大森先生は二つの文章を書き、どちらをのせようか考えている。

④ 文章の書き手は、自分のつたえたいことがつたわるようにくふうしている。

⑤ ですから、文章を読むときには、次のことについて考えよう。

⑥ ①書き手のつたえたいことは何か。

⑦ ②書き手は、つたえたいことをつたえるために、どんな事がらを取り上げるか。

⑧ ③書き手は、説明の仕方をどのようにくふうしているか。

⑨  大森先生が書いた二つの文章を読み、①~③のついて、考えてみよう。

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<意味段落>

 ここでは、3つの意味段落に分かれていると考えてみることにします。

①~③段落:はじめ(序論)

 ほけん室の大森先生は、毎月「ほけんだより」を出していて、朝ごはんを食べない人が増えているので「ほけんだより」で書くことにしました。そして、2つの文章を書き、どちらを「ほけんだより」にのせようか考えています。     

④~⑧段落:なか(本論)

 文章の書き手は、自分の伝えたいことが読み手に伝わるようにいろいろな工夫をしています。ですから、文章を読むときには、次の3つのことを考えるようにしましょう。

 ① 書き手の伝えたいことは何か。

 ② どんな事がらを取り上げているか。

 ③ 説明の仕方をどうくふうしているか。 

⑧段落:おわり(結論)

 大森先生の書いた二つの文章を読み、①~③の3点について、考えてみましょう。

<大事な言葉>

 読みくらべ、書き手、読み手、事がら、説明、くふう

《1つ目の文章》

<題名>

 題名は「朝ごはんをしっかり食べよう」です。

<はじめとおわり>

○ はじめ

 最初に、「みなさんは、朝ごはんをきちんと食べていますか。」と書かれています。

○ おわり

 最後に、「朝ごはんは、毎日のけんこうのためにかかすことのできない、大切な食事です。朝ごはんをしっかり食べて、元気に生活しましょう。」と書かれています。

<形式段落>

 形式段落は、全部で6段落です。

 形式段落毎の簡単な内容は、次の通りです。

① みなさんは、朝ごはんをきちんと食べているか。

② 朝ごはんは、みなさんが元気に生活するために、大切なものだ。

③  朝ごはんはエネルギーになる。体を動かしたり勉強したりするにはエネルギーがひつようだ。

④  朝ごはんは、体温を上げ、体を動かすじゅうびができ、午前中を元気に過ごせるようになる。

⑤  朝ごはんは、ごはんやパンだけでなく、ほかのものもいっしょに食べるとよい。

⑥  朝ごはんはけんこうのためにかかせない大切な食事なので、しっかり食べ元気に生活しよう。

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<意味段落>

 ここでは、3つの意味段落に分かれていると考えてみることにします。

①段落:はじめ(序論)

 みなさんは、朝ごはんをきちんと食べていますか、と問いかけから始まっています。   

②~④段落:なか(本論)

 朝ごはんは、みなさんが元気に生活するために、大切なものだと書かれています。そのあとで、なぜ大切なのかということが書かれています。

 朝ごはんはエネルギーになります。体を動かしたり勉強したりするにはエネルギーがひつようです。朝ごはんは、体温を上げ、体を動かすじゅうびができ、午前中を元気に過ごせるようになります。

 また、付け足す形で、朝ごはんは、ごはんやパンだけでなく、ほかのものもいっしょに食べるとよいですね、と書いています。

⑧段落:おわり(結論)

 朝ごはんはけんこうのためにかかせない大切な食事なので、しっかり食べ元気に生活しましょう。

 この説明文では、朝ごはんを食べることのよさについて説明されています。

<大事な言葉>

 朝ごはん、エネルギー、体温、けんこう 

<表現の工夫>

「文字の大きさ」

 題名を大きな文字にしています。文字の大きさや形をかえるのは、このような「たより」では、とても大切なことです。

「問いかけ」

 この説明文では、最初に問いかけから始まっています。

・みなさんは、朝ごはんをきちんと食べていますか。

 問いかける書き方によって、読み手の関心を引こうとしています。

「イラスト」

 この説明文には、2つのイラストがでてきます。

 1つは、朝ごはんが「エネルギーになること」と「体温が上がること」を示したイラストです。

 もう1つは、保健の先生が話しかけているイラストをのせ、自分に直接話をしているように感じさせることです。

<要旨>

 この説明文では、朝ごはんを食べることのよさを示すことで、題名通り、「朝ごはんをしっかり食べよう」ということについて書かれています。

《2つ目の文章》

<題名>

 題名は「朝ごはんをしっかり食べよう」です。

<はじめとおわり>

○ はじめ

 最初に、「みなさんは、朝ごはんをきちんと食べていますか。」と書かれています。

○ おわり

 最後に、「朝ごはんは、毎日のけんこうのためにかかすことのできない、大切な食事です。朝ごはんをしっかり食べて、元気に生活しましょう。」と書かれています。

<形式段落>

 形式段落は、全部で6段落です。

 形式段落毎の簡単な内容は、次の通りです。

① みなさんは、朝ごはんをきちんと食べているか。

② 朝ごはんを食べないと、元気がなくなり、だるさを感じることになる。

③  表によると、だるさを感じた人は、朝ごはんを食べなかった人が多かった。

④  朝ごはんを食べなかった理由では、食べる時間がなかったという人が多かった。

⑤  朝ごはんを食べるためには、前の日の夜、早くねることも大切だ。

⑥  朝ごはんはけんこうのためにかかせない大切な食事なので、しっかり食べ元気に生活しよう。

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<意味段落>

 ここでは、3つの意味段落に分かれていると考えてみることにします。

①段落:はじめ(序論)

 みなさんは、朝ごはんをきちんと食べていますか、と問いかけから始まっています。   

②~④段落:なか(本論)

 朝ごはんを食べないと、元気がなくなり、だるさを感じると書かれています。そのあとで、だるさを感じてほけん室に来た人にアンケートをとったことについて書いています。

 だるさを感じた人は、朝ごはんを食べなかった人が多かったということ、朝ごはんを食べなかった理由としては、食べる時間がなかったという人が多かったことについて書いています。

 また、付け足す形で、朝ごはんを食べるためには、前の日の夜、早くねることも大切ですね、と書いています。

⑧段落:おわり(結論)

 朝ごはんはけんこうのためにかかせない大切な食事なので、しっかり食べ元気に生活しましょう。

 この説明文では、朝ごはんを食べないことでおこるよくないことについて説明されています。

<大事な言葉>

 朝ごはん、だるさ、理由、けんこう 

<表現の工夫>

「文字の大きさ」

 題名を大きな文字にしています。文字の大きさや形をかえるのは、このような「たより」では、とても大切なことです。

「問いかけ」

 この説明文では、最初に問いかけから始まっています。

・みなさんは、朝ごはんをきちんと食べていますか。

 問いかける書き方によって、読み手の関心を引こうとしています。

「表とイラスト」

 この説明文には、2つの表と1つのイラストがでてきます。

 1つめの表では、「ほけん室に来た人と朝ごはん」の関係、2つめの表では、「食べなかった主な理由」について書いています。表があることで、朝ごはんの大切さがよくわかります。

 イラストは、保健の先生が話しかけているイラストをのせ、自分に直接話をしているように感じさせています。

<要旨>

 この説明文では、朝ごはんを食べないことによる問題を示すことで、題名通り、「朝ごはんをしっかり食べよう」ということについて書かれています。

<まとめにかえて>

 この教材分析は、このブログに載せている「説明文の教材研究」で取りあげたいくつかの視点に基づいて行ったものです。

 教員のみなさん1人1人が自分で行う教材研究の参考になれば幸いです。

⭐️   ⭐️

 なお、説明文に関係する次の項目についても、併せて読んでください。

説明文の教材研究(1) 教材研究の視点に進む内部リンク

説明文の教材研究(2) はじめとおわりに進む内部リンク

説明文の教材研究(3) 文章の構成に進む内部リンク

説明文の教材研究(4) 段落関係と要点に進む内部リンク

説明文の教材研究(5) 大事な言葉と要約に進む内部リンク

説明文の教材研究(6) 引用に進む内部リンク

説明文の教材研究(7) 表現の工夫(対比)に進む内部リンク

説明文の教材研究(8) 列挙 反復 問いかけに進む内部リンク

説明文の教材研究(9) 比喩 数量化 程度差に進む内部リンク

説明文の教材研究(10)なぜ教材研究をするのかに進む内部リンク

説明文の指導の仕方(1)指導計画に進む内部リンク

説明文の指導の仕方(10)に進む内部リンク

⭐️   ⭐️

 他の説明文の教材分析も併せてお読みください。

サツマイモのそだて方 教材分析063に進む内部リンク

「ほけんだより」を読みくらべよう 教材分析064に進む内部リンク

広告を読みくらべよう 教材分析065にすすむ内部リンク

新聞記事を読み比べよう 教材分析066に進む内部リンク

インターネットの投稿を読み比べよう 教材分析067に進む内部リンク

自然のかくし絵 教材分析026に進む内部リンク

ウナギのなぞを追って 教材分析004に進む内部リンク

数え方を生みだそう 教材分析005に進む内部リンク

さわっておどろく 教材分析006に進む内部リンク

ありの行列 教材分析010に進む内部リンク

 

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