えにっきの指導について知りたいです。
作文の文種の1つに「えにっき」があります。
今回は、「えにっき」について書きます。
えにっき
🟠えにっき
<えにっき>
えにっきは、主に低学年の子どもに課されることが多い学習のひとつです。
ひらがなの習得が終わり、ある程度、自分の書きたいことが自由に書くことができる1年生の7月になると、「えにっき」の学習があります。
教育出版は「えにっき」、学校図書は「えにっきをかこう」、東京書籍は「えにっきをかこう」、
光村図書は「こんなことがあったよ」という単元を用意しています。
えにっきは、日々のできごとを絵と文で表すものです。
例えば、東京書籍の「えにっきをかこう」では、「きょうは、どんなことがありましたか。」と問い、「たのしかったこと」「うれしかったこと」「おどろいたこと」「おもしろかったこと」「くやしかったこと」「 こと」(※空欄になり、自分で言葉を入れる)と書き、最後に「みんなにしらせたいことを、えとぶんでかきましょう。」としています。
極めて、一般的なオーソドックスな指導の方法だと思います。
自分が経験したことの中で、印象の強いできごとをえにっきとして書くという指導は、よく行われていることですし、子どもにとっても書きやすい印象があります。
1学期の最後にこのような指導をするのは、そのまま夏休みの宿題として「えにっき」を書くことを求めることが多いからです。
宿題といっても、毎日ではなく、数枚のえにっきを宿題を課されるだけですから、それほどたいへんな宿題ではないかもしれません。
ただ、このような指導は、言外に次のようなイメージを子どもに抱かせる危険性もあります。
それは、えにっきは、「日常生活の中で、特別なできごとについて書くもの」というイメージです。
こうなると少し困ったことが起こります。それは、子どもは特別なできごとがないと、えにっきが書けないということです。
旅行に出かける、どこかに遊びに出かける、何か特別なことをするなどの特別なできごとがない子どもは書くことがないことになります。
夏休みだからといって、どの子どももどこかに連れて行ってもらえるわけではありません。特別なできごとなど起こらない子どももいます。親や保護者などの仕事などが忙しかったり、家族の中に病気の人がいたりして、どこにも連れて行ったもらえない子どももいるかもしれません。
では、どうすればいいのでしょうか。
<うそにっきでもいいことにする>
それは、「うそにっき」や「そうぞうにっき」でもいいことにすることです。
えにっきは、何も本当に起こったことだけを書くようにしなくてもいいと思います。
有名なうそにっきに、矢玉四郎さんの書かれた「はれときどきぶた」(岩崎書店・1980年)という児童文学があります。
小学校3年生の主人公である畠山則安さんが未来の日付で架空の出来事を書くと、実際にそのことが起こるという荒唐無稽なお話です。このお話は、続編がたくさん書かれ、アニメ映画やテレビアニメも制作されています。
ぜひ、この時期にこの本の一部を読み聞かせしてほしいと思います。そうすることで、子どもがえにっきを書くことに対するイメージはずいぶん変わると思います。
子どもは楽しいことがとても好きですので、喜んで自分の思いついたことを、えにっきに書く子どももいると思います。
きょうりゅうと遊んだことを書いてもいいでしょうし、アンパンマンといっしょに、バイキンマンをやっつけて、空を飛んだことを書いてもいいでしょう。
一般的には、えにっきは、日常の出来事などを中心に書くこととされていますが、想像したことや創作したことを書いても全くいいと思います。
大切なことは、子どもに文章を書きたいという気持ちをもたせることだと思います。
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作文の指導については、次のページもお読みください。
作文のすすめ(1)400字作文に進む(内部リンク)
作文のすすめ(2)400字作文の実際に進む(内部リンク)
作文のすすめ(3)指導前に、自分が書いてみるに進む(内部リンク)
作文のすすめ(4)書きたいことがある状態にするに進む(内部リンク)
作文のすすめ(5)構想表についてに進む(内部リンク)
作文のすすめ(6)自由作文に進む(内部リンク)
作文のすすめ(7)子どもの発達段階を知るに進む(内部リンク)
作文のすすめ(8)低学年向けに進む(内部リンク)
作文のすすめ(9)中学年向けに進む(内部リンク)
作文のすすめ(10)高学年向けに進む(内部リンク)
作文のすすめ(11)卒業文集に進む(内部リンク)
作文のすすめ(12)4こま漫画に進む(内部リンク)
作文のすすめ(13)意見文に進む(内部リンク)
作文のすすめ(14)感想文に進む(内部リンク)
作文のすすめ(15)縦書きと横書きに進む(内部リンク)
作文のすすめ(16)日記の指導に進む(内部リンク)
作文のすすめ(17)系統を考えた指導に進む(内部リンク)
作文のすすめ(18)お気に入りの表現に進む(内部リンク)
作文のすすめ(19)提案文に進む(内部リンク)
作文のすすめ(20)新聞を作ろうに進む(内部リンク)
作文のすすめ(21)読書感想文に進む(内部リンク)
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